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2009年06月22日

お聞きします裁判員制度

【お聞きします裁判員制度】(4)篠原ユキオさん 被告の素顔、見落とさないで
6月22日19時40分配信 産経新聞

――これまで数多くの裁判で法廷内のイラストを描いてこられましたが、一番印象に残っているのは?

 「平成11年5月にあった和歌山の毒物カレー事件の初公判ですね。廷内イラストは、あのときが初めてでしたから。林真須美死刑囚が手錠をかけられている姿を見て、どきっとして手が震えましたよ。だから、あのときのイラストは僕にとっては失敗作なんです」

 ――法廷で緊張するのは裁判員も同じかも?

 「そう。初めて入った法廷で、とても平常心ではいられないと思いますよ」

 ――それでも裁判員は真実を見極めねばならないが

 「大学で教えていても、一人の学生のことを本当に理解するにはそれなりの時間が必要。1週間足らずの審理で、被告のことを理解するのは難しいのではないかと思います」

 ――では裁判員制度には懸念することが多い?

 「ええ。僕は風刺漫画を描くから人と違うものの見方をする習慣がついているけど、議論の際に『長いものに巻かれろ』という人は多いでしょ。裁判官の意見に流されてしまっては、制度の意味がないですよね」

 ――裁判員が自分の判断に自信を持つには、被告のどこを見ればいいと思う?

 「イラストを描くため被告をじっと見ていても、なかなか心の中は分からない。でも被告人質問が終わった直後とかには、ふと素の姿が見えるのではないかと思います。大学でも、学生の授業に対する姿勢が一番分かるのは終業のチャイムが鳴ったときなんですよ」

                   ◇

 漫画家、そして京都精華大マンガ学部の教授でもある篠原ユキオさん(60)。この10年、関西の注目裁判で産経新聞に掲載された廷内イラストを描いてきた経験も踏まえ、裁判員制度への率直な思いを語ってくれた。(聞き手 福富正大)
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